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執筆者の写真Hirofumi Senda

「グレンカダム 10年」家飲みにお勧めしたいウイスキー Part.3

更新日:2021年9月4日

http://blog.with2.net/ping.php/2072450/1629856061

おはようございます 

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本日は「コロナ禍で皆様の家飲みにお勧めしたいウイスキーパート③」でございます。


バランタイン17年の「魔法の7柱」の1つで、

『大麦のクリーム』と称される、東ハイランドのモルト

【グレンカダム 10年】をご紹介いたします。


 


家飲みにおすすめのウイスキー 「グレンカダム 10年」

価格:4,700円くらい


グレンカダム蒸溜所は丘を切り開いたところにある、

ブレヒン(Breckin)の町から東へ1/2マイルほどのところにございます。


蒸溜所は田舎にひっそりとあるのですが、

南へ17マイルほど移動すれば、アーブロースという町がございます。


1297年にウィリアム・ウォレンス率いるスコットランド軍が、

イングランド軍に勝利した、「スターリングブリッジの戦い」があったことでも、

よく知られております。


因みに映画「ブレーブ・ハート」はこの史実に因っておりますので、

映画鑑賞と共に「グレンカダム」を飲みながらおうち時間を楽しまれるのも宜しいのではないでしょうか。


送料が無料のリンクがありましたので貼っておきます。



それでは本日の目次です。


 

【目次】


 

グレンカダム蒸溜所とは


かってブレヒン(Brechin)の町には2つの蒸溜所があったのですが、

そのうちの1つ、ノースポート蒸溜所は1983年に閉鎖され、

その跡地はスーパーマーケットになっているとのことです。


グレンカダム蒸溜所は、地元の地主であったジョージ・クーパーにより、

1825年に創業されましたが、2年後には早くもオーナーが変わります。


こちらの変わったオーナー(デビット・スコット)の方が、

創業者だという説もございます。


その後も目まぐるしくオーナーが変わっていくのでございますが、

1954年にハイラム・ウォーカー社が8万3千4百ポンドで買収し、

2年後の1956年には、ジョージ・バランタイン&サンによって買収され、

1959年には大改修が行われました。


この時の大改修は、ブレンディング設備の整備が行われ、かって作られていたブレンデッドスコッチ「スチュワート クリーム オブ ザ バーレイ」の生産本拠地で、

メインとなる原酒の供給源でございました。


この「スチュワート クリーム オブ ザ バーレイ」が、

実に豊かな味わいを持っていた事と、その銘柄の名前から、

グレンかダム蒸溜所は『大麦のクリーム』と評され有名になったのでございます。


その後また所有権はアライド・ドメク変わって、2000年に閉鎖してしまいましたが、

2003年にアンガス・ダンディ社が買収して復活し現在に至っております。

蒸溜所所長のダグラス氏は、2000年に閉鎖した理由を冷却水不足が原因だったと語っております。


Glencadam Distillery

 

伝統的な製法と仕込み水


グレンカダム蒸溜所では、コンピュータ制御無しの、

クラシカルなウイスキーづくりが行われており、

生産量も年間130万リットルと、

スコットランドでは小規模な方であります。


仕込み水 :以前は50Kmほど離れたアンサンク丘陵にあるリー湖を使用していましたが、

現在は14Kmほど離れた、ムーランズの泉を使っています。

因みに冷却水は、蒸溜所のすぐ近くを流れるバリー川の水を使用しております。


一度の仕込みは4.9トンの麦芽を使い、それらを鋳鉄製のマッシュタン(糖化槽)で、

じっくり9時間ほどの長い時間をかけて麦汁を得るのですが、

諸々の操作も蒸溜所のオペレーターの手動で行われております。



仕込み槽の上部カバーはステンレススティールだが、本体は昔の鋳鉄製。


因みにイギリスではメートル法が施行されて30年以上になりますが、

ここでは以前の華氏温度計が

いまだに使用されているのであります。




こうしてできた24000リットルほどの麦汁を、

スチール製のウォッシュバック(発酵槽)で、

これまた長時間(48時間以上)かけてじっくり発酵させて、

.5%のウォッシュ(もろみ)が作られます。


  • マッシュタン:鋳鉄製1基

  • ウォッシュバック:スチール製6基(各24000リットル)

  • 酵母:イギリスのABマウリ社のイーストを使用

  • 初留釜:1基(12000リットル)

  • 再留釜:1基(12400リットル)

初留釜はエクスターナルヒーティング(加熱を単式蒸留器の外で行った後で中へ戻す特殊な方式)という珍しい方式が採用されております。


因みに多くの蒸溜所では、再留釜より初留釜の方が大きいところが多いのですが、

逆に再留釜の方が若干大きい事も、グレンカダムの面白いところではないでしょうか。


 

こだわりのラインアーム


小さな蒸溜所なのでポットスチルも最小限の合計2基のみですが、

右側のスチルをご覧ください。


スチルとコンデンサーを結ぶラインアームが、

細いスワンネックから上向き(15度くらい)に取り付けてあるのがわかります。

多くの蒸溜所は下向きもしくは水平なところが多いのですが、

ココに拘りがあるのでございます。


このように上向きにラインアームを取り付けることで、

濃いアルコール分が逆流して蒸留器へ戻ってゆき、不純物の混入防止し、

軽やかでクリアな留液を得ることによって、

優美で繊細なウイスキーが生まれるという事なのであります。


因みに「上方に傾けることにより、まろやかな蒸留液を得られる」と、

グレンカダム蒸溜所は説明しております。


 

グレンカダムを味わってみよう

今日もハイボール、オンザロック、ストレートの順でまいります。


グレンカダム10年

・ハイボール ⭐️⭐️⭐️

香りはマーマレードのような甘い香りの奥に、湿った臭っぽ差を感じが第一印象ですが、

どちらもほのかでそう強く上がり続けてくる感じではないですね。


口に含むと、結構ドライでございます。

ほんのりとラベンダーの花のようなフローラルな味わいと、

しっかり存在感のあるピート感を持っております。


アフターは、ドライでスパイシーな中に、オークの木の感じをる事もでき、

サルファリーな感じも微かに感じられるが、嫌な感じはありません。

非常にすっきり飲めるドライかつしっかりしたハイボールではないでしょうか。



・ロック ⭐️⭐️

香りはハイボールよりも湿った草の感じをはっきり感じます。

ほのかにレモンの柑橘の香りがあります。


口に含むとやはりドライで、硫黄、乾燥した草、

わずかにシトラスとハチミツの甘さが感じ取れます。


後から氷が溶けてアルコールも薄くなると、

素焼きのアーモンドやヘーゼルナッツのような甘すぎない甘さが心地よかったです。



・ストレート ⭐️⭐️⭐️⭐️

香りは、マーマレードやハチミツのような甘い香りが最初に上がってきて、

その後で奥に草っぽさを感じます。

氷が入ったロックやハイボールとは明らかに逆でございます。


口に含むと。とろっとしてかなりシルキーで、まるで優美で知的なメリーポピンズ!

頭の中でテンションが上がり、

「チムチムニ〜 チムチムニ〜🎶🎶🎶 」と流れ出しました。

(これは全体的にもそうですが、私だけの感想なので反論コメントご容赦くださいませ💦)


さてふざけてないでもう少し追記いたしますと、味わいも柔らかなコクがあり、

マーマレード、みかんの皮とといった、甘さと酸味の絶妙なバランス、

その上パワフルなのですが、繊細な味が入り乱れた面白い味わいでございます。


時間と共に開いて来ると、柑橘系の香りが上がってきます。

そして味わいも柔らかなオークの木の感じがはっきり出てきつつ、アフターはスパイシーかつビターでございます。



送料無料のリンクがありましたので、

購入をお考えの方は参考にしてみてください。

 

最後にひと言

個人的にはストレート一択ですかね!

ですが、たまに「辛口のウイスキーをロックで」

とオーダされるお客様っていらっしゃるわけですよ。


そんな時、ほとんどストレートでしかモルトは飲まない私は、

辛いウイスキーなんて無いというのが認識だったので困っていたのですが、

そのようなお客様にはおすすめしやすいと勉強になりました。


こうやって、現在コロナ禍でBARに行きたくても行けない方々へ、

家飲みにおすすめのコスパの良いウイスキーをご紹介する企画を始めたおかげで、

私自身コロナが開けたら新たな分野の進め方の幅が広がって行き嬉しく思います。

 

あとがき

グレンカダム蒸溜所からは、かってオフィシャルボトルは発売されてなかった為、

入手しづらいモルトの1つでございました。


しかし現在のアンガス・ダンディー社になってからは、

シングルモルトの販売にも力を入れられております。


現在は本日ご紹介した10年を始め、「ポートウッドフィニッシュの12年」、

「オロロソカスクフィニッシュの14年、15年、21年」などが販売されており、

しかも全て40%ではなく、46%にアルコール調整されております。


現在は各銘柄が40%に加水して販売している中、

そこも好感が持てるところでは無いでしょうか。





・おまけ

バランタイン17年の「魔法の7柱」とは何?

  1. スキャパ(オークニー島)/ペルノリカール社

  2. バルブレア(北ハイランド)/ バカルディ社

  3. プルトニー(北ハイランド)/ インバーハウス社

  4. グレンカダム(東ハイランド)/ アンガスダンディー社

  5. グレンバーギ(スペイサイド・エルギン地区)/ ペルノリカール社

  6. ミルトンダフ(スペイサイド・エルギン地区)/ ペルノリカール社

  7. アードベッグ(アイラ島)/ モエヘネシーディアジォ社

こんな感じですが、これはあくまで「バランタイン17年」の話で、

ファイネスト、12年、21年、30年には、また違う柱が存在します。



最後まで読んでいただきありがとうございました。

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閲覧数:3,343回1件のコメント

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1 Comment


hinayuji
Jan 01, 2023

こんにちは。

ちょうどグレンカダム10年を購入して飲みながらこの記事を拝読しておりました。

ただ、最後の魔法の7本柱ですが、そう呼ばれてたのはかなり前の話ではなかったでしょうか?

釈迦に説法かもしれませんが、そもそもアードベッグは1980年代に操業停止しててそのあたりでキーモルトがラフロイグに切り替わったと聞きますし。

私がネットで見た感じでは、現在はバランタイン公式でキーモルトとしているミルトンダフ、グレンバーギ、グレントファースの3つにスキャパ、ラフロイグの五本柱になってるとのことですが。

ちょっと気になったのでコメント失礼いたしました。

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