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ハイランド/Highland 
北ハイランド(North Highland)
​・バルブレア(Balblair)
1970年創業。蒸溜所のロス州エダートン村は、「ピート教区」と呼ばれ、豊富なピートを使った酒の密造が盛んだった。
​・クライヌリッシュ (Clynelish)
​インバネスの北方約90kmにあるブローラという町のはずれに立つ。1819年、領主の貴族が密造対策を目的に創業。1967年に新らしい蒸留所を設立し、旧蒸溜所はブローラという銘柄で製造していたが、1983年に閉鎖された。
・ダルモア (The Dalmore)
アルネスという町の郊外に、1839年創業。
第1次世界大戦中には接収され、対潜用機雷が製造されていたこともある。
​・ダルウィニー (Dalwhinnie)  
1897年創業。1905年までストラススペイと呼ばれていた。
気象観測所を兼ねていて、蒸溜所のマネージャーが毎朝観測を行う。標高は326mで、スコットランドで2番目に高所にある蒸溜所である。
・グレンモーレンジ(Glenmorangie)
1843年創業。ドーノック湾南岸にある。もとはビール工場であった。創業以来、釜の上部が非常に長い単式蒸留器を使用している。
その長さは5.13mでスコットランド最長
​グレンオード(Glen Ord) 
1838年創業。インヴァネスの北北西20kmにある。大麦の産地であったことから密造が盛んに行われていた。かつてはオーナーが代わる度に蒸留所の名前が変わったが、現在はグレンオードで統一されている。ユナイテッド・ディステラリー社がドラムと呼ばれる巨大な装置による製麦や蒸気蒸留方式による蒸留を試した蒸留所としても知られる。
​・プルトニー (Pulteney)
1826年創業。ウルフバーン蒸留所ができるまでは、スコットランド本土最北に位置する蒸留所だった。
​・ロイヤル・ブラックラ(Royal Blackla)
1812年創業。1835年、ウィリアム4世により蒸留所として初めてロイヤル・ワラント(王室御用達の勅許状)を与えられた。ロイヤル・ロッホナガー蒸留所、グレンユーリー・ロイヤルとともにロイヤルを冠する蒸留所の一つである。
​・スペイサイド(Speyside)
スペイ川の最上流部の位置にある蒸溜所なのに、現在の区分ではハイランドの蒸留所になる。1895年から1911年まで、全く違う位置に同じ名前の蒸溜所があったが、現在のスペイサイド蒸溜所とは別物である。創業は1990年12月だが1962年に起工、1987年に工事完了と25年もの時間を要した蒸溜所である。
・ティーニニック(Teaninich)
1817年にティーニニック城の一部を改築し設立された蒸溜所で、現在はディアジオ傘下の蒸溜所の中でも屈指の生産量を誇る。ジョニーウォーカーレッドラベル」などのブレンデッドウイスキーの生産を支える蒸溜所の1つである。
・トマーティン(Tomatin)
1807年創業。スコットランド最大となる23基の単式蒸留器を備えている。1980年代に宝酒造と大倉商事が買収。日本企業がスコッチ・ウイスキーの蒸留所を買収した初の事例となった
・ウルフバーン(Wolfburn)
スコットランド本島北端の町サーソーに1821年〜約50年実在してた蒸溜所が、約140年の時を越えて再建され、2013年から蒸留が開始された。壮大な湿地帯が広がる豊かな野原には海から数マイルのところを川(バーン)が流れ、昔は狼がその辺り一帯に沢山生息していたと言われてる。
南ハイランド(South Highland)
・アバフェルディ(Aberfeldy)
1896年創業。「ジョン・デュワー・アンド・サンズ社」が同社のブレンデッドウイスキー「デュワーズ」の原種となるモルトウイスキーを製造するために建設した。
・ブレアアソール(Blair Athol)
スコットランドでも最古の蒸溜所の1つで、元々は「アルダワー蒸溜所」という名前だったが、1826年に経営者が代わり再稼働した時、「ブレアソール蒸溜所」と改名。生産量は年間300万ℓほどで中堅ぐらいの生産量だが、その殆どが「ベル」などのブレンデッド 用で、シングルモルト用は2~3万ℓ程度。したがってボトラーズでのリリースが多くオフィシャルの定番.限定とも出回るのは少ない。
・ディーンストン(Deanston
1965年創業。1785年に建てられたリチャード・アークライト設計の紡績工場を利用している。古い紡績工場は屋内の温度と湿度が一定保たれるよう設計されており、ウイスキーの貯蔵に向いているとされる
・エドラダワー (The Edradour)
1825年創業。単式蒸留器が非常に小さいことで知られ、再留釜は人間の背丈ほど。行政が認める最小サイズで、密造防止の観点からこれより小さい単式蒸留器を使用することは法律で禁止されている。経営規模も小さく、従業員は3名しかいない。 1週間の生産量はホグスヘッド8樽分で、スペイサイドの蒸溜所の約1/40である。
・グレンゴイン(Glengoyne)
1833年創業。かつては仕込み水を引くための小川にちなんでダムゴイン蒸留所という名であった。敷地内をハイランドとローランドの境界線であるダンディー - グリーノック間の想定線が通っているが、仕込み水を北の方角から引いてきているためハイランドに分類される。ウイスキー評論家のマイケル・ジャクソンは「最も訪れる価値がある美しい蒸留所」と評している。
・グレンタレット(Glenturret)
創業は1775年で1717年に製造していた記録が残されていることから、スコットランド最古と主張している蒸留所。パースの西方約20kmにある。19世紀後半までホッシュという名であった。いち早く敷地内にビジターセンター設置したことで知られ、その充実度は群を抜いていると評される。生涯に2万8899匹のネズミを捕まえたギネス記録を持つウイスキーキャット、タウザーが飼われていたことで有名。
タリバーディン(Tullibardine)

古くから「名水の里」として知られ、「ハイランドスプリング」の取水地として有名なハイランド地方の南端ブラックフォード村に建つ蒸溜所。

1949年創業。1900年以降にスコットランドに新設された最初の蒸溜所であり、ウイスキーの盛衰とともに歴史を歩んできた、シングルモルトの名門。しかし、1971年にインバーゴードンに買収されたが、1994年に閉鎖。10年後に再開したが、2011年にフランス(ブルゴーニュ)の名門ワイン商、「メゾン・ミッシェル・ピカール」によって再び買収され、買収以前は他社向けのブレンディング用スピリッツを販売して収支を得ていましたが、現在はプレミアムなシングルモルトを主軸に展開している。

・ストラスアーン(Strathearn)
2013年に160年以上続いたバキルトン農場の中にストラスアーン蒸溜所は創業した小さなクラフト蒸溜所。ストラスアーンを日本語に訳すと「アーンの広い谷」、谷とは言ってもなだらかで広々とした農地が広がりアーン川からも実は数キロ離れている。因みに2016年に初のシングルモルトが100本オークションに出されたが、なんと落札価格は4150ポンド(約60万円超)であった。普通に飲めるようになる日を楽しみに待つことにしましょう。
​東ハイランド(East Highland)
​・アードモア(Ardmore)
1898年創業。東ハイランドとスペイサイドとの境界線の近くにある。ウィリアム・ティーチャーズ社がブレンデッドウイスキーの原酒を製造するために建設した。単式蒸留器8基は東ハイランド最大規模
​・フエッターケアン (Fettercairn)
1823年の酒税法改正に伴い、1824年に山奥に隠れていた密造者を雇ってアバディーン南の第穀倉地帯にある製粉所に創業。その際にフェッターケアン蒸溜所としてグレンリベット蒸溜所に次いで2番目に政府の認可を得た蒸溜所だ。その後1829年に貿易商へ売却されるのだが、その貿易相の4男が、大英帝国で4度首相を務めたウィリアム・グラッドストーンだった。彼が財務大臣在任時に導入した蔵出し税は、後のスコッチ産業の発展には欠かせないものとなった。フェッターケアンはゲール語で「斜面上の森」の意で、フェッターケアンは設立当初よりユニコーンのシンボルを用いているが、これはユニコーンがスコットランド王家の象徴であり、蒸溜所設立者アレクサンダーが属するラムゼイ氏族の紋章でもある。フェッターケアンは北ハイランドのダルモアとともに、ブレンデッドウイスキーのホワイト&マッカイの原酒として使われています。
​・グレンドロナック(Glendronach)
グレンドロナック蒸溜所は1826年、ハイランド地方ハントリーの郊外で創業いたしました。 1996年まではフロアモルティングを行い、すこしピートの効いたモルトを生産していました。 
また、石炭の直火焚きを最後まで行っていた蒸溜所で、大部分はティーチャーズやバランタイン17年などのブレンドに使用されていました。 2008年にベンリアック・ディスティラリー社がオーナーとなり積極的に限定品をリリースしている今最も注目されている蒸溜所のひとつです。
​・グレンギリー(glen garioch)
創業は1785年で、ハイランド最古の蒸留所の一つ。かつて「アバディーン州の穀物庫」と呼ばれた穀倉地帯にある。1994年にサントリーが買収した。蒸留器の冷却水を利用した温室があり、野菜や花が栽培されている
​・グレングラッサ(Glen glassaugh)
マレー湾を見下ろす、約3マイル先に設置され、正しく発音するのが難しい蒸留所の名前のうちの1つ! 1890年代にハイランド・ディステラリーズ社に買収されたが、1907年から31年にかけては休止、1936年から1959年にかけて再び休止した。1959年に再建され、2基のスチルはダブルサイズとなった。オーナーからのリリースは非常に珍しい。 1986年に閉鎖。2008年よりブラウン・フォーマン社によってシングルモルトがリリースされている。
・ノックドゥー(Knockdhu)、   ・アンノック(An Cnok)

1894年に創業して、100年以上変わらない伝統製法で造られるハイランドモルト

ポットスチルの数は一対のみと、ハイランドで最も小さい蒸溜所のひとつ。
スコットランドでも指折りのシングルモルトウイスキーをつくるノックドゥー蒸溜所。

ノッカンドオやカードゥと名前が似ていて混同されることが多かったため、1993年から銘柄を「アンノック」として販売。
オフィシャルラインナップが充実しており、限定ボトルも多くリリースしています。
職人の伝統技が冴える、ハイランドモルトの佳酒と名高い蒸溜所。

​マクダフ(Macduff)、・グレンデブロン (Glendeveron)
創業1962年という比較的歴史は浅い蒸留所。ウイリアム・ローソン (ブレンデッドスコッチ)のモルト原酒製造のため1972年より同社がオーナーとなっている模様。マクダフ蒸留所は、2種類の銘柄を持つ珍しい所です。オフィシャルとして発売されている銘柄名は『グレンデブロン』。瓶詰業者がボトリングしている物は『マクダフ』と言う蒸留所銘が品名となっています。典型的なハイランドモルトで、心地よい麦芽の風味とクリーンな味わい。評論家(マイケルジャクソン)もシングルモルトの基本的な味…と評している銘柄
​・ロイヤル・ロッホナガー(Royal Lochnagar)

現在のロッホナガー蒸留所は1845年に地元の資産家、ジョン・ベグが設立した。

1845年以前にもジェームス・ロバートソンという人がロッホナガーの前身となる蒸留所を立てていたのだが、蒸留所を法律上の合法会議に出席したことに対して、怒った非合法蒸留酒製造業者によって施設を全焼させられてしまう事態がなんと2回もあったとか・・・

そうしてジェームスは蒸留業から手を引き、1845年にジョン・ベグがあとを継ぐことになりました。

ジョン・ベグが蒸留所を立ててから3年後の1848年、

ヴィクトリア女王と王配アルバート公が王室の邸宅としてバルモラル城を買い、避暑地としたので、

ベグが招待状を送ったところ、翌日一家が蒸留所を訪問。その数日後に王室御用達を許可するワラントが与えられた。それ以来、蒸留所はロイヤルの名を冠して「ロイヤル・ロッホナガー」となり、上流階級の人々にも長知れ渡りました。因みに現在はディアジオの傘下で操業が続いていますが、ロイヤル・ワラントは保持してはおりません。